留袖や振袖などの和服は、繊細で美しい柄が施されていて、眺めるだけで楽しいですよね。
実は、それぞれの柄には、願いが込められていたり、縁起が良かったりなど、さまざまな意味があります。どんな柄や意味があるのか、確認していきましょう。

古典的な柄

まずは、古典的な柄。定番なので、みなさんも見たことがあるものばかりだと思います。どんな意味が込められているのでしょうか?

扇(おうぎ)

あおいで風を出す扇は、開いた時に末の方から広がることから、縁起の良いものだとされています。
開運や繁栄を表し、負の気を払ったり、神様を招いたりするためにも使われてきました。明るい未来を願う、おめでたい席にぴったりですね。

貝桶(かいおけ)・貝合わせ

貝桶とは、貝合わせで遊ぶ際に使う入れ物のことです。平安時代、同じ装飾の貝を合わせる遊びとして親しまれたのが、貝合わせ。ひな人形を飾る装飾としても有名です。
対になった貝だけしかぴったりと合わないことから、夫婦円満や良縁を表すものになりました。

鞠(まり)

遊び道具だった鞠は、長いひもで作られていたことから、良縁を結ぶという意味を持つようになりました。また、まんまるとした形から、丸く収まりますように、という願いも込められています。女の子の遊び道具だったので、七五三の晴れ着に多い柄です。

花の柄

次に、華やかで美しい花の柄です。

日本を象徴する、国花でもある桜。着物でも、ポピュラーな柄として親しまれています。
古い言葉で、サは田の神、クラは神のいる場所を意味していたことから、五穀豊穣を意味します。今ではワイワイと楽しんでいるお花見も、本来は五穀豊穣を祈った儀式だったそうです。また、生命の始まりを感じさせる春に咲くことから、縁起の良い物事の始まり、という意味もあるそうです。

牡丹

どっしりとした存在感のある牡丹は、百花の王とも称されます。
あでやかな姿は、高貴さや豊かさ、美しさを象徴します。女性らしさを表現するのに、ぴったりな柄でしょう。また、「丹」という字は不老不死の薬を指すことから、長寿の意味も込められています。

椿

丸く愛らしい椿は、厳しい寒さの中でも力強く咲くことから、生命力を感じさせる縁起の良い花です。真っ赤なイメージが強いですが、白やピンクの椿もあります。
古くから、化粧品や薬の材料として使われていました。貴族の間で愛され、高貴さや神聖さを表すものとして扱われていたそうです。

柄の意味を知って和服を着よう

留袖や振袖などの和服は、さまざまなデザインがあります。それぞれの柄に込められている意味や、象徴するものを知っておけば、和服選びがさらに楽しくなりますよ。色やデザインだけに注目するのではなく、柄の意味を知ってから、おめでたい席にぴったりの和服を着ましょう。
かしいしょうの和楽では、留袖レンタルや訪問着レンタルができます。さまざまな柄の和服を取り揃えているので、レンタルの際にはぜひ覗いてみてください。

着物を着て手を揃え、礼をする女性